年々、日本みつばちの生息数が減りつつあります。原因は多々あり、その影響は大小問わず問題です。今の私にできることは、一つでも多くの群(女王を中心としたコロニー)を捕獲し、適正な場所に置いてあげることです。それには捕獲できる場所探しから始めます。
まず大切なことは下記です。
当たり前のことですが、設置する場所に日本みつばちが生息していなければ、どんなことをしても捕獲(自然入居)はできません。この後のコラムに掲載しますが、日本みつばちを捕獲するには、さまざまなトラップをする必要があります。効果抜群でもあり、高価でもある用具を最大限利用しても、本種がいなければ捕獲は100%できません。前年度までに設置する場所をある程度決めておいて、必ずそのエリア(2キロ園内)に日本みつばちが生息していることを確認しておくことです。
秋。とくに晩秋時期の観察が重要になります。私の養蜂エリアでは、秋から晩秋にかけてセイタカアワダチソウ(外来種)が広いエリアで咲きます。悲しいことですが、現状では首都圏の外来種セイタカアワダチソウが、日本みつばちにとって越冬するのに大切な蜜源(はちみつ)となっています。晩秋になったら、セイタカアワダチソウが育成するエリアを調査すれば、日本みつばちの生息有無を確認することは容易です。
日本みつばちの行動範囲は約2キロであることを認識しておくことも重要な要素です。要するに、観察できた場所が、巣からどのくらいの距離なのかを推測する必要もあります。例えばその時点は2キロであれば、採蜜している個体がどの方向へ飛んでいくかも把握することが重要です。でもこれに関しては、確証するのはとても難しい。。。。
但し、日本みつばちは効率を深く考える生き物で、近年の研究では、巣から近くのエリアの蜜源を集中して活動することがわかっています。それゆえに、マルハナバチ同様、草花の花粉媒介者(ポリネーター)として大切な生き物なのです。仮に観察できた個体が2キロ圏内にいるということは、その巣(コロニー)は、越冬する餌に非常に困っていると判断することもできます。
とにかく観察できた場所の近くが、翌年の待ち箱(巣箱)設置の候補地として把握しておくことはできます。
ここ数年において、ミツバチの養蜂を自宅でやりたいと安易に考える方が増えています。セイヨウミツバチは有料で購入するシステムが確立していますが、日本みつばちの養蜂に関しては、自然捕獲(分蜂時強制捕獲)のみ飼育することが可能と考えてください。
設置する候補地を見つけても、そこの土地の所有者の許可なしに、待ち箱を設置することは法的にも禁止しています。必ず、土地所有者の設置許可を得てから設置するようにお願いします。また、設置する場所も人通りの多い場所や、住宅街はNG。絶対に設置するのはヤメてください。
日本みつばちが分蜂した後、新たな営巣する巣箱を決めると、そこに女王をともなった約数千匹がやってきます。その時(一時的)は、周囲に人がいたら、パニックになるほどの入居状況が発生します。なので、設置する場所は、人目に付きにくい場所を選択してください。
ここ数年において、テレビの影響なのか住宅街で平気で養蜂をする方が居るようです。はっきり言ってヤメてください。日本ミツバチだけでなくセイヨウミツバチも、人間が集団で生活するエリアでの育成には様々な危険要素があります。
ここでは詳細は記載しませんが、とにかくこのことが原因で、地域住民がパニック(驚き)になり、警察が出動するような事態になります。
このようなケースが起きると、大切な益虫であるミツバチが「害虫」として認知されてしまいます。
もう一度言います。
住宅街で養蜂をするのはヤメてください。
植物の花粉を運んで受粉させる生き物で、花粉媒介者や送粉者とも呼ばれます。