今年は例年に比べ、温暖化する環境を強く意識する年でした。海釣りに行っても、本来の魚種が釣れなかったり、秋に咲く花たちも順序なしに、一斉に咲いてしまったり。。。このズレが生き物の生活には非常に大きな影響を及ぼします。人間なら暑い時はエアコン、寒い時は暖房、野菜が高騰すればそれに変わる食材でなんとかやり過ごす事ができますが、その他の生き物にはどうすることも出来ません。特にミツバチのような小さな生き物では、その地域に生息することすら出来ないのが、今の状況なのです。
春や夏も異常な暑さが続きましたが、今年の秋で顕著に目立ったのは「キンモクセイ」「セイタカアワダチソウ」の開花時期。この2種は、秋から冬にかけて、日本みつばちにとっては大切な蜜源となる植物です。
例年では、まずはキンモクセイが咲きます。その後数週間後にセイタカアワダチソウが咲きますが、今年はこの2種がほぼ同時期に咲くという、異常な年となりました。
写真でも分かるように、数が激減し、巣脾(すひ)が見えている状態です。原因はもう一つ考えられます「アカリンダニ」。
しかし、動きや巣箱内外の観察をしていると、アカリンダニ症状(巣外を徘徊)は見当たらず、やはり蜜源が著しく低下していると判断し、すぐに給餌をいたしました。
給餌器具を巣門に差し入れると、すぐに寄ってたかって砂糖水に集まりました。よほど集蜜に困り果てていたようです。蜜はミツバチにとっては行動するエネルギーです。この蜜が不足すると、約2キロ圏内まで飛行できる行動範囲が、狭くなり、蜜だけでなく、花粉を集める量も激減し、やがて群は倒れていきます。周りで「採蜜(はちみつ)が大事だから給餌なんてしない」という養蜂家もいますが、結局はその年で全滅してしまうのを悲しい想いでみています。。
まずはこの日本みつばちを減らさない、無くさない環境づくりを第一に飼育をしてもらいたいものです。