突然の女王の死。これだけは防ぐことのできない悲劇です。病気、寿命、事故、突然死も考えらます。こちらの無王群となった飼育群は、10月までは中勢群ほどの勢いのある群でしたが、オオスズメバチ襲撃が始まり、10月末におさまった頃に突然、雄蜂が登場しました。この時期の雄蜂の発生は、無王群の確定となる証と判断してもよい現象です。働き蜂も黒光りの個体となり、多少気性が荒くなります。巣箱の出入り口で羽音を高く響かせ、出たり入ったりを繰り返したりする行動も観察できるようになります。
残念で悔しいですが、こちらの群は一旦2キロ以上離れた場所に3週間ほど移動させ、以前飼育していた場所から、人目につかない場所へ移動いたしました。11月〜12月までは、何匹かの生き残りの働き蜂たちが、出入りしているのは観察できていましたが、やはり今年の冬は関東エリアも寒い日が続き、既に死滅したことを確認しましたので、本日巣箱を解体いたしました。
巣箱に残っていた巣脾(すひ)は、スムシにだいぶ侵食されており、残されたみつばちの多くは巣脾へ頭をつっこんだ状態や、何匹かが固まった状態で凍死していました。これが日本みつばちという集合体、社会性昆虫の最後の悲しい姿なのです。
今年、夏季に発生してその後に無王群として全滅した巣を解体した際は、巣内に働き蜂の死骸はほとんど見られなかったのはなぜなのか不思議です。暖かい時期に、死を間近にした働き蜂たちは、もしかすると他の群に合流でもするのかと考えてしまいます。
冬季というのは、日本みつばちにとって一番厳しい苦難な時です。寒さという自然の脅威、貯蜜の乏しさ、そしてアカリンダニの猛威。これが自然界に生きる生き物たちの常識なんです。
幼虫、さなぎ、花粉、はちみつの貯蔵庫となる巣房の集まり。